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国立高度専門医療研究センター 医療研究連携推進本部

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睡眠薬および抗不安薬・抗てんかん発作薬の使用実態調査に基づくGABAA受容体作動薬の適正使用指針および看護師・薬剤師等が実践できる指導・介入法の提案

研究概要

ベンゾジアゼピン系睡眠薬を含むGABAA受容体作動薬の適正使用は、国際的な医療課題とされています。我が国はGABAA受容体作動薬の処方規制が穏やかな国の一つであり、適正使用を促進するためには処方医が臨床現場で抱える課題を丁寧に把握し、これへの対策を明確に示すことが不可欠です。

健康保険組合連合会の保険請求データベースに基づくと、ベンゾジアセピン系睡眠薬の新規処方率は年々緩やかに低下していますが、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬ではあるもののGABAA受容体作動薬であるZ-drugsの新規処方率は横ばい~微増傾向を示しています。また、長期処方継続者においては、未だベンゾジアセピン系睡眠薬使用者が過半数を占め、Z-drugs使用者を含めるとGABAA受容体作動薬使用者が3/4を占めています。こうした状況は、抗不安薬や抗てんかん発作薬として使用されるGABAA受容体作動薬においても共通の課題です。

さらに睡眠薬を適正使用する上では、適切な睡眠衛生指導と不眠に対する認知行動療法(CBT-I)が有効ですが、こちらの普及率も十分とは言えません。
本研究の目的は、睡眠薬をはじめとするGABAA受容体作動薬の適正使用を促進するため、多様な診療科臨床の診療場面においてGABAA受容体作動薬の処方実態を調査し、適正使用を促すための現場に即した指針および、これを補助するための看護師・薬剤師等を含む多忙な医療従事者でも実践可能な睡眠衛生指導・介入法の提案を行うことです。

処方実態調査には、ナショナルセンター 医療研究連携推進本部(JH)が運用するNC等統合電子カルテデータベース(6NC-EHRs)を主に活用し、必要に応じて厚生労働省のNDBデータやJMDCが事業展開する各種データベースを利用することを予定しています。

研究のイメージ図

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期待される効果

主に不眠、不安、てんかん診療において、GABAA受容体作動薬を処方する必要性の高い条件・状態を明確化することで、GABAA受容体作動薬の適正使用を促すとともに、より有効性・安全性の高い治療戦略を社会に普及させることに役立ちます。また多忙な診療場面において、医療専門職の負担を軽減しながらも質の高い医療を提供できる体制の充実に寄与します。

主任研究者

栗山 健一
国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所睡眠・覚醒障害研究部 部長

栗山健一

薬を処方する際には、得られる益(効果)と生じうる害(副作用)を把握した上で、患者個々人の特性や事情を鑑み、適切な薬剤を選択するのが医療の基本です。GABAA受容体作動薬は効果に関する実績は十分ですが、様々な潜在的副作用が報告されている薬剤です。この薬剤を選択することで得られる益が害を上回る場合をより詳細に調査するとともに、本薬剤を選択せざるを得ない事情・場面を明確化し、これらへの対策を講じることが、GABAA受容体作動薬の適正使用の在り方と考えています。 。

分担研究者

国立精神・神経医療研究センター

精神保健研究所 精神疾患病態研究部 橋本亮太
病院 てんかん診療部 谷口 豪

国立長寿医療研究センター

長寿医療研修センター 長寿医療研修部 溝神 文博

国立健康危機管理研究機構

国立国際医療センター 心療内科診療科 菊地 裕絵

国立がん研究センター

中央病院 精神腫瘍科 松岡 弘道

国立循環器病研究センター

病院 精神神経科 疇地 道代