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国立高度専門医療研究センター 医療研究連携推進本部

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6NC連携による医療政策研究等を目的としたNDB研究体制構築のための研究

レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)とは、「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づき、厚生労働省が医療費適正化計画の作成、実施および評価のための調査や分析などに用いるデータベースです。NDBには、①医療機関が医療保険者に対して発行する診療報酬明細書(レセプト)の情報と、②特定健診・特定保健指導情報の2つの要素を格納されています。

このデータベースは国民の医療・健康情報の重要な情報源であり、国立高度専門医療研究センター(ナショナルセンター、NC)が果たすべき重要疾患に関する政策調査・提言を行うための活用が期待されています。一方で、その扱いについては、「医療制度や実臨床・統計解析手法への幅広い知見を要すること」「データの取り扱いや申請方法の複雑さ」「申請からデータ提供までに時間を要するため、国が求めている情報を迅速に提供しづらいこと」などのハードルがあります。

本研究事業では、NDB解析におけるこれらの課題を解決するため、6NCの研究者が連携してデータの取り扱いや解析を行い、各NCが管轄する重要疾患の有病者数、罹患率、診療の質、医療費等の情報を継続的に解析、公開します。またNCが協力し合い、重なる領域の医療政策の助けになる研究も行ないます。これらの研究結果に基づき、「根拠に基づいた政策立案(Evidence-based Policy Making)」や政策評価に貢献することを目指します。
また、今後のNDB研究の進展に資する目的で、疾患の定義や、各種マスター(傷病名、医薬品、診療行為等)の利用法など、NDB研究を行う上で有用な情報についてまとめ、NCのみならず他の研究機関が活用できるように情報提供していきます。加えて、NDB等を用いた医療政策研究を継続的に行う在り方について検討を行い、提言を行います。

研究のイメージ図

6NC連携による医療政策研究等を目的としたNDB研究体制構築のための研究


期待される成果

①政策ニーズに対応したエビデンスの創出 (疾患の有病者数、発生数等の情報)

②上記成果を用いた政策提言や政策評価 (疾病のリスク因子、診療の質、医療費 など)
 ⇒各種計画に貢献(保健医療計画、健康増進計画、がん対策推進計画など) 

③6NC連携NDB・政策研究拠点構築
NDB研究を円滑に進めるためのNDB解析環境の整備
継続的な政策ニーズに即応したエビデンスの提供体制
NDB研究を含めた医療政策研究の実態

研究の進捗

NDB研究開発基盤については、
①1箇所のサーバで管理し、共通的な解析については中央で行う
②個々の研究については加工して軽量化したデータを各センターの解析室に移動して研究する
上記の体制が望ましいという結論に至り、その方針で整備を進めました。

NDB申請と解析については、下記、初回研究テーマについて決定し、初回申請準備を進めています。

【研究テーマ】
①6NC横断的な共通テーマ、②2NC以上の重点疾患に跨るテーマ、③各NC単独価値のあるテーマの3つに研究テーマを分け、特に①を重視することとしています。

【初回申請時の対象疾患】
①5大がん、②循環器疾患、③神経筋疾患、④HIV/AIDS、⑤急性感染症、⑥C型肝炎、⑦糖尿病、⑧成育に関わる疾患・障害としての小児精神・発達障害、⑨認知症、⑩OECDで医療の質指標を公表している疾患、と定めました。

具体的には重要疾患の有病者数、合併症のある割合を受療率の地域性・年齢分布等の情報や関連する処方薬の使用実態、罹患率や医療の質、医療費、特定健診結果との関連等に取り組むこととしました。またコンプライアンス強化の必要性を鑑み、適正利用推進委員会を設置し、議論を行なっています。
NDB等を用いた医療政策研究を継続的に行う在り方についても検討を行い、総合的な政策研究を行う組織を目指すこととして、米国CDCがそのモデルとなりうることを研究班で共有しています。また、今般の新型コロナウイルス感染症蔓延の中、新たな公衆衛生組織の在り方が問われる状況において、米国CDCについての概説と、日本版CDCを考える上での論点をまとめ、日本公衆衛生雑誌に掲載されました。(日本公衆衛生雑誌 2020; 67(9): 567−572. doi:10.11236/jph.67.9_567)。加えて、2020年10月の日本公衆衛生学会総会において、「6NCが連携して行う医療政策研究と情報提供」のシンポジウムを開催するなど、研究班外への発信にも努めています。

主任研究者

磯博康(国立国際医療研究センター 国際医療協力局 グローバルヘルス政策研究センター)
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6つのナショナルセンターは、それぞれ別組織において、がんその他の悪性新生物、循環器病、精神・神経疾患等、感染症その他の疾患、成育に係る疾患、加齢に伴う疾患を専門としていますが、共通して臨床や研究、人材育成の役割を担っています。また、これらの視点から医療に関する政策提言を行うことが求められています。

 当研究班では、NDBを活用することで疾病の有病・発生状況、診療の質、医療費、特定健診結果に関する調査・解析、今後の傾向や対策の予測・公表および、NDB研究の発展に役立つ体制づくりや人材育成について6NCで協力して取り組み、日本の医療政策の立案や国民の理解に役立つ情報基盤の構築を目指しています。

分担研究者

【国立がん研究センター】
・がん対策情報センター がん臨床情報部
 東尚弘、市瀬雄一、渡邊ともね、松木明、新野真理子

【国立循環器病研究センター】
・予防疫学・疫学情報部
 西村邦宏、小野塚大介、尾形宗士郎、村田峻輔

・研究推進支援部
 宍戸稔聡

【国立精神・神経研究センター】
・トランスレーショナル・メディカルセンター
 小牧宏文 

・精神保健研究所 公共精神健康医療研究部
 臼田謙太郎、古野考志

・小児神経科
 本橋裕子

【国立成育医療研究センター
・政策科学研究部 政策開発研究室
 竹原健二

・社会医学研究部 ライフコース疫学研究室
 森崎菜穂

【国立長寿医療研究センター】

・老年学・社会科学研究センター予防老年学研究部健康増進研究室
 土井剛彦

・治験・臨床研究推進センター
 鈴木啓介

・老年学・社会科学研究センター予防老年学研究部データシェアリング促進チーム
 堤本広大


【国立保健医療科学院】
・国際協力研究部
 児玉知子

【国立国際医療研究センター】
・エイズ治療・研究開発センター
 田沼順子、中村やよい、Stuart Gilmour、米岡大輔

・AMR臨床リファレンスセンター
 松永展明、都築慎也、日馬由貴、小泉龍士

・肝炎情報センター 肝疾患研修室
 是永匡紹

・臨床研究センター 臨床研究推進部 プロトコル支援室
 寺田・平嶋純子

・呼吸器内科
 森野英里子

・国立看護大学校 看護学部
 柏木公一、友滝愛

・国際医療協力局 グローバルヘルス政策研究センター
 細澤麻里子

・糖尿病情報センター 医療政策研究室
 杉山雄大、今井健二郎、井花庸子