患者・市民のみなさま向けのページ
ELSIおよびPPIに関する取り組み
「全ゲノム解析等実行計画」では、全ゲノム解析等を推進するだけでなく、関連するELSI 1 への対応およびPPI 2 の取り組みを通じた患者・市民の視点の導入が重視されています。
1 ELSI:倫理的・法的・社会的課題(Ethical, Legal and Social Issues)
2 PPI:患者・市民参画(Patient and Public Involvement)。医学研究・臨床試験プロセスの一環として研究者が患者・市民の知見を参考にすること
2019年に策定された実行計画(第1版)で「全ゲノム解析等を推進するにあたり、患者・市民参画の仕組みを設けるなどELSI(倫理的・法的・社会的課題)への対応ができる体制のあり方等について検討する」とされ、その後も検討が積み重ねられてきました。
ELSIおよびPPIにかかわる取り組みを適切な体制の下で行うため、令和7年度に発足予定の事業実施組織には、ELSIおよび患者・市民参画を担う部門が設置される計画です(「全ゲノム解析等実行計画2022」(令和4年9月30日) )。
現在は、厚生労働科学研究費補助金「全ゲノム解析を基盤としたがんゲノム医療の実装に向けた患者還元、解析・データセンター、ELSI体制構築についての研究」班(研究代表者 中釜斉)のELSIワーキンググループにおいて、がんの全ゲノム解析等にかかわるELSIおよびPPIについての検討が行われています。
取り組みの例は、資料もご覧ください。
難病の全ゲノム解析研究については以下のウェブサイトをご覧ください
難病ゲノム医療推進統合研究(研究代表者 水澤英洋)
https://www.nanbyo-genome-tkh.org/background.html
難病のゲノム医療推進に向けた全ゲノム解析基盤に関する研究開発(研究代表者 國土典宏)
https://genome-toyama.ncgm.go.jp/researches/nanbyo.html
https://rare-disease-wgs.jp/
「全ゲノム解析等実行計画」について
本ページでは患者・市民のみなさまに「全ゲノム解析等実行計画」についてお伝えしていきます。
■がんの全ゲノム解析研究について
「がんの全ゲノム解析」は、国が推進する「全ゲノム解析等実行計画」に基づき、研究事業として実施されています。
患者さんのご協力のもと、がんについての研究を進めることで、効果的な予防、診断、治療法の開発に役立てることができます。
■がんの全ゲノム解析とは
がんは、おもに遺伝子が傷つくことで発症する病気です。これまで、がんの研究や検査では、がんに関係する特定の遺伝子のみを調べていました。
しかし、近年の技術進歩により、ゲノム(遺伝子をはじめとする遺伝情報のすべて)を一度に調べることができるようになりました。
これが、「がんの全ゲノム解析」です。
全ゲノム解析は、世界各国で、がんをはじめとするさまざまな病気の研究・治療に活用されています。
「がんの全ゲノム解析」により、患者さんのがんの特徴をよりくわしく知ることができ、効果的な治療法やお薬を選ぶ際のヒントが得られる可能性があります。
また、多くの患者さんのデータを集めることで、未来の医療の発展、つまり、がんの予防と治療、お薬の開発などにつながることが期待されています。
資料
「全ゲノム解析等実行計画」への患者・市民参画のあり方の検討に向けた取り組みとして、国立がん研究センター「患者・市民パネル」事務局と協働し、『2022年度「患者・市民パネル」検討会~ゲノム医療への患者・市民参画~』を開催しました。全ゲノム解析を含むがんゲノム医療に対する期待と不安、PPIのあり方などを、患者・市民パネルの皆さんと検討しました。詳しくは、下記の検討会参加者向けレポートをご覧ください。
※レポート内の「全ゲノム解析研究」は、全ゲノム解析を扱う研究全般を指しています。
お問い合わせ
jh-genome●jh.ncgm.go.jp(●を@に変更の上メール送付して下さい)